http://morfov.blog79.fc2.com/blog-entry-26.html より
霊的認識の準備のための3つの瞑想(シュタイナーの人智学)
現代の代表的な神秘主義者であるドイツのルドルフ・シュタイナーが、スピリチュアルな認識を獲得するための、準備的な瞑想法として薦めている3つの瞑想法を紹介します。
「植物の成長と衰退の瞑想」、「鉱物と植物と動物の瞑想」、「薔薇と十字の瞑想」です。
*3つの瞑想法といっても、このように名前が決まっていて、3つ並べて紹介されているわけではありません。
いずれも、特定のイメージに没入して、感情を感じながら思考する瞑想です。
そのイメージは、本質的には外界を写したものではなく、心のエネルギーそのものから生じているイメージです。
そのため、魂を覚醒させ、霊的な認識能力を成長させると言います。
感情は、個人的な反応ではなく、客観的なものでないといけません。
<植物の成長と衰退の瞑想>
植物が成長・繁茂する姿と、衰弱・枯死する姿の2つの局面に集中し、それをイメージし、思考する瞑想です。
つまり、植物が種から発芽し成長するプロセスと、枯れていくプロセスをありありと思い描きます。
最初は外界の植物に集中して観察して、その後に内的なイメージと思考に集中します。
そして、その時に感じた感情を心から体験します。
成長と衰弱のそれぞれを繰り返しイメージします。
簡略的に書きましたが、工夫してもう少し、細かくイメージし、思考してください。
シュタイナーは、成長の局面では「太陽が昇る」時に感じる感情に似た感情を体験する、衰弱の局面では「月が昇る」時に感じる感情に似た感情を体験すると言います。
<鉱物と植物と動物の瞑想>
鉱物と植物と動物の違いをイメージし思考する瞑想です。
まず、無生物である鉱物(水晶など)と、感情を持った動物の違いを瞑想します。
最初は動物と鉱物を観察して、その後に内的なイメージによって、感情を伴って、次のように思考します。
「動物は欲望や感情を持っていて、その力が動物の形を作っている。
鉱物は欲望や感情は持たない力によって形作られている」
すると、鉱物と動物のそれぞれから異なった感情が流れてくるのを感じます。
次に、植物を加えます。
「植物は成長する力によってその形が作られている」
簡略的に書きましたが、工夫してもう少し、細かくイメージし、思考してください。
シュタイナーは、それぞれから感じる感情は、色で言えば、鉱物は「青~青味がかった赤」、植物は「緑~バラ色」、動物は「赤~赤味がかった黄色」であると言います。
<薔薇と十字の瞑想>
薔薇と十字の象徴を使って、欲望を浄化する瞑想です。
まず、植物が成長する様子をイメージします。
その傍らに人間が立っているとイメージします。
そして、次のように感情を込めて思考します。
「人間は感情や思考など高度な機能を持っているが、個人的な欲望や愛欲に満ちている。
しかし、植物は欲望や愛欲なしに、純粋な法則に従っている」
「植物の樹液の流れは、純粋な成長の表現である。
一方、人間の血液は欲望の表現である」
「しかし、人間はスピリチュアルな成長によって、欲望を浄化して、高次なものにすることができる」
次に、薔薇をイメージして、次のように思考します。
「赤い薔薇の花は緑の葉と同様、純粋な成長の法則に従っている。
薔薇の花を浄化された欲望や感情の象徴である」
次に、黒い十字と、十字の交差する場所の上に、円形の並んだ7つの薔薇の花をイメージして次のように思考します。
「黒い十字は、浄化してなくなった欲望の象徴である。
そして、その上にある薔薇は、浄化された欲望の象徴である」
内容(「MARC」データベースより)
夜の神聖さを宇宙とともに感じ、朝の太陽を地球とともに喜ぶために。そして、精神を神的世界へ飛翔させるためのシュタイナー版マントラ(真言)集。
レビュー
祈りの言葉、瞑想の言葉は、宇宙の霊性にまっすぐ通じる力を秘めている。祈りの言葉、瞑想の言葉という道を通って、人間の意識は宇宙の神性のなかに入っていくことができる。それは、祈りの言葉、瞑想の言葉が神界に響く言葉を地上の言語に翻訳したものであるという事情による。祈りの言葉、瞑想の言葉として秘儀参入者によって地上の言語に置き換えられた宇宙言語を、その本源へと突き進んでいくことによって意識は神的宇宙を体験する。<BR>
宇宙の森羅万象は、みずからの本質を明かす言葉を発しつづけている。その言葉を聞くことのできる者には、宇宙の秘密がおのずと明かされる。神的世界からもたらされた言葉は、わたしたちの心魂を清め、精神を飛翔させる力を秘めている。<BR>
そのような言葉は、古来さまざまな精神の努力の方向において与えられてきた。 --【抜粋】本文から
●新たに「薔薇十字の瞑想の言葉」を収録。 --【出版社から】
著者について
シュタイナー,ルドルフ
哲学博士。1861年旧オーストリア=ハンガリー帝国(現クロアチア)クラルイェベックに生まれる。1925年スイス・ドルナッハにて没す。ウィーン工科大学で、自然科学・数学・哲学を学ぶ。ゲーテ研究家・著述家・文芸雑誌編集者として、世期末のウィーン、ワイマール、ベルリンで活躍。二十世紀になると、このような一連の活動の成果を踏まえて「アントロポゾフィー(人智学)によって方向づけられた精神科学」へと足を踏みいれる。スイス・バーゼル市近郊ドルナッハにみずから設計したゲーテアヌムを建設し、普遍アントロポゾフィー(人智学)協会本部とした
西川隆範(にしかわ・りゅうはん)
1953年、京都市に生まれる。シュタイナー幼稚園教員養成所講師、シュタイナーカレッジ客員講師を経て、育児のかたわら、精神史・文化史を研究。おもな著書・訳書に,『シュタイナーの宇宙進化論』『神秘学概論』『音楽の本質と人間の音体験』(いずれもイザラ書房)ほか
「瞑想と祈りの言葉」
画像の本は、現在でも入手が容易な、人智学の設立者であるルドルフ・シュタイナーの著作の一つで、この本は、詩篇のような美しい文体の、瞑想の導入の為の祈りの言葉や、
密義を含んだ祈りなどが集められた本です。
ルドルフ・シュタイナーついては、彼の提唱した教育法などを受け継いだ全人教育の「シュタイナー教育」も日本で徐々に普及しており、彼の名前は日本では、80年代よりも現在の方が知られてきているのではないかと思いますが、90年代に書かれた、彼の経歴と人智学の概要に就いてまとめられた記事が手元にありますので、そちらも抜粋して、紹介させて頂きたく思います。
ルドルフ・シュタイナーは、丁度ナチス党が政権を掌握していた頃のドイツで、ナチスとオカルト的な表裏関係にあり、ナチスの「闇」に拮抗する「光」の霊的巨人であったともしばしば評されています。
幼い頃から天与の「見霊能力」があり、大学在籍中に薔薇十字団の流れを汲む秘教結社の高位のマスターと出会い、その後有名な神智学協会に入会し、事務総長に就任した後、対立から協会を離れ、人智学を起こしたとされています。
神智学と人智学の最大の相違点は、神智学が教祖的な立場のものが霊的存在の仲介を経て霊智を得るのに対し、人智学では、「この体系の方法で、毎日15分間の瞑想と集中の行を続ければ、誰にでも見霊能力が発達し、直接的な秘儀参入が可能である」とした事でした。
彼の指す「見霊能力」とは、単に霊物を見ると云う事ではなく、霊界や、現界の隠れた事象をも見通す、幅広いものであるとの事です。
シュタイナーは、ナチスの目的遂行を阻む者とされ、建物が放火されたり、執拗に命を狙われながらも、「見霊能力を使って運命を変える事は黒魔術である」という信条の元で、自身の身の安全を図る為に、その能力を使う事はなく、最後はサンドイッチに毒を盛られて、ついに衰弱して亡くなりました。
人智学で特徴的なのは、「アカーシャ年代記」の解読による霊的な壮大な宇宙時代観で、現在は「地球紀・第四周」の時代であるとされています。
この時代は未だ、地上に於いて、善人と悪人が混交している状態ですが、これからの時代から、明確に分かれていく事になるとされています。
以下、抜粋です。
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ヒトラーのような、悪の野望を持った者の登場として、或いは、常に欲望のみを求めようとする「ルシファーのささやき」として、我々は常に、「闇に力」に引っ張られているのだ。
その結果、進化のプログラムを外れ、悪の呪縛に捕らわれてしまう人間の方が、圧倒的に多いのである。
では、それらの人間は、どう云う運命を辿るのであろうか。
例えば、「地球紀・第五週」において、地球がアストラル的存在にそぐわない物質的な部分を放出する時、先に述べた「悪人種」は、地球全体のアストラル化について行けず、この残り滓のような物質の地球に取り残されてしまう事になる。
このように、進化の過程で、それこそ何度となく善と悪の魂のふるい分けが行われていくのだ。そして最後に、「金星紀」において、善と悪の最終的な弁別が行われていくのである。
この時、金星から分離する「ある特別の天体」は、進化に反逆するもの全てを含む、云わば「改善出来ない月」であると、シュタイナーは述べる。
進化を拒否し、物質の中に安住する事を選択した者達の行き着く果てがそこなのだ。
この段階になった人間の魂に、もはや救いはなくなってしまうのだ。
今を安穏として生きてはいけない。
アトランティス大陸の滅亡の時を思い起こして欲しい。
物質に心を奪われたアトランティス人の中で、地球的規模の災厄から生き残った者は、ほんの一握りだったではないか。
そして、多くの預言者が垣間見た未来のビジョンでも判るように、何度となくこのふるい分け=大災厄は人類を襲う。
そして、ごく僅かの人間だけが、選ばれた進化の階段を昇って行くにすぎないのである。
勿論、ある「生」に於いて、霊的進化を遂げられなかった人間にも、転生してチャンスは
与えられる。
しかし、進化は善の方向にも、悪の方向にも、螺旋的なプロセスを辿っていく。
そして次第に収束しながら、ある一点を目指して行くのである。
今生で「善人種」になれなかった人間は、来世ではますます、その道は険しく困難なものになっていくのだ。
人間の魂は不滅であり、遥かな未来において、これらの事は、人類一人ひとりが間違いなく体験する。
人類進化の霊的プログラムを知った今、この瞬間から、そのプログラムの教えの通り、人間自らの崇高さを認識し、魂の成長を思い描きながら、この一瞬一瞬を大切に生きて行く事が重要なのである。
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シュタイナーの思想については、また他日に紹介させて頂きたく思います。
以下、画像の本からです。
………………
【朝と夜のマントラ】
これは、シュタイナーが秘教寺院で伝授したもので、朝は目覚めた直後、未だ色々な思考が浮かび出る前に唱えて瞑想するものであるとの事です。
言葉を唱えながら、その言葉の通りの情景や状態をイメージして、瞑想を行うようにとされています。
【朝】
「それは私の自我の中に生きる。
それは私の中で霊化する。
それは全ての中で輝く。
それは霊の光、それはキリスト太陽の光である。
キリスト太陽は、宇宙の深みからやって来る。」
【夜】
「宇宙の深みから
キリスト太陽が昇ってくる。
その光は、霊である。
その光は、全ての中に輝き、
私の中で霊化し、私の自我の中に生きる。」
http://metalogue.jugem.jp/?eid=2103 より
ミトラ教と神智学・人智学
■1■「神智学協会」の教義は古代ミトラ教の神学を伝えるバビロニア=ストア学派直系の教えであり、「人智学協会」を創始したシュタイナーの教義もまた、そのオリジナルはミトラ教であり、その多様な霊的知識を、整合性と合理性に裏打ちされた大系にまで高めたとミトラ教研究家の東條真人氏は言う。
■2■シュタイナーのキリスト論の多くは東方ミトラ教の教義に基づいており、ロゴスや聖霊に関する解釈はマニの教義を下敷きにしている。彼は人智学運動に携わる人は、かつてヨーロッパの中部・南部にいた秘教的キリスト教徒(東方ミトラ教の一派のパウロ派・ボゴミール派・カタリ派)だと述べている。
■3■アリス・ベイリーの著作はミトラの秘儀の1つであるメタトロン神秘主義やハランのミトラ教団(サビアン教団)の教義を下地にしている。また明示してはいないが、カバラが重要なベースになっている。知識を与えたというチベットの大師は、チベット仏教よりむしろズルワーン神学やカバラに詳しい。
■4■グルジェフが欧米に紹介したスーフィズムは「ナクシュバンディー教団」の教えの一部であり、その教義は用語に違いがあるだけで、ブラバッキーやアリス・ベイリーの教義と本質・定式化・組織化手法などはみな同じである。ブラバッキーの教義もスーフィズムも、共に「東方神智学」と呼ばれている。
■5■神智学や人智学自体が私たち現代の日本人には斬新で未知なる科学的なものに見えるが、時代を7つに区切る発想法、世界教師論、7光線の瞑想法、秘教占星学などはみなミトラ教がオリジナルである。これは神智学や人智学を貶める事実ではなく、ミトラ教を特化して必要以上に称揚するものでもない。
■6■シュタイナー、ブラバッキー、アリス・ベイリーらの著作は、それまでの西洋にない知識を西洋世界に広め、東方ミトラ教を再興した点では偉大な功績があった。彼らがどこから知識を持ってきたのかを探り、現実的な系譜を全体的視野で捉えた上で、幅広く秘教の伝統を学ぶことが明確な理解に繋がる。
■7■彼らが仏教・スーフィズム・東方ミトラ教といったアジアの宗教思想や、カバラなどをそれぞれ独自にパッケージ化してからはや1世紀が経った。現在欧米ではアカデミズムの影響が広がって、西欧神秘主義の虚構に満ちた歴史が見直され、スーフィズムなど東方ミトラ教の影響力が再認識されつつある。
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