神秘学から見た「願望実現」とは

https://phenix2772.exblog.jp/10274581/  より

神秘学から見た「願望実現」を説明するためには、「世界霊魂=アニマ・ムンディ」の存在を無視することはできない。なぜならこの領域には、様々な「原型」がすべて収まっているからである。

この集合意識の中での「原型」とは、古代から今日まで人類が社会を形成し、様々な人が様々なものを考え、それらを形にしてきたことで、集合的に他の多くの人々にも認知され、共通認識のもとに集合社会の中に受け入れられてきたもの。又は、「了解」されてきた「形式」のパターンといったら分かりやすいかもしれない。

それを「原型」と呼び、集合意識の中に、一つ一つ収まっている。つまり、これらの「原型」が、「アニマ・ムンディ」の「母体」の中に、すべて収まっているのである。これを、「原型の宝庫」または、「創造の母体・子宮」と呼んでいる。これをイデア的な神聖幾何学で表したものに、「フラワー・オブ・ライフ」がある。この幾何学模様は、19個の円によって構成されている。

これらは、ユダヤ神秘思想でも知られているカバラ「生命の樹」のセフィロトでは、「ビナー」として位置づけられている。また、この「アニマ・ムンディ」は、「歴史の記録庫=アカシック・レコード」としても、機能していてて、その中に収まっている「原型」は、量子の場として、個々に「形」を残しているのである。

このアニマ・ムンディは仏教の世界では、阿頼耶識的な土台を形成していて、これを「如来蔵」と呼び、この領域を統一した世界観に、真言密教の胎蔵界曼荼羅がある。この胎蔵界曼荼羅の中心に座している仏に、胎蔵界大日如来がおられるが、この仏は、「法身仏」として、宇宙の恒久的意識に位置づけられており、決して人間の立場としては位置づけられていない。

また、超能力者ユリ・ゲラーがコンタクトしたという宇宙の意思に「スペクトラ」がいたが、「スペクトラ」は、混沌としたこの「アニマ・ムンディ」をコンピューター的に「コード化」してしまった。これを『ロンバス・四次元』と呼んでいた。近い将来、地球の科学も更にレベルアップすれば、同様な形で「アニマ・ムンディ」をホログラムとして捉え、これをフーリエ変換によってコード化される時期が来るだろう。

ちょうど、我々が普段、コンピューターに向かい合って、調べたい「情報=原型」を「検索エンジン」にかけるように、必要とする「情報=原型」を立体映像として、瞬時に取り出せるようになる。更に進化することで、現代でいう「バーチャル・リアリティー」のように映像を通して、こちら側から、向こう側の「実態=原型」にアプローチできるようになるだろう。

普段、我々の日常にもこの「原型」が不意に引き出される現象として、ユング心理学の「共時性現象」があげられる。この「共時性現象」も、「アニマ・ムンディの母体」から意識した「原型」を引き寄せ、現象化している一般的な例である。例えば、超人集団である「ヒマラヤ聖者」の場合も、同様にこの母体から「原型」を操作して、物品出現やテレポーテーションといった超自然現象を引き起こしている。

一般的には、「願望実現のノウハウ」は、ビジネス上の成功哲学として、多く紹介されてきたが、最近は精神世界においても、「願望実現のノウハウ」なるものが、盛んに紹介されるようになってきた。同様に、この領域から「原型」を引き出すテクニックは、それを扱う用途によって、様々なバリエーションを持っている。

この「アニマ・ムンディ」にアクセスすることで、必要とする「原型」を引き出すわけだが、どんなにイメージ・トレーニングしても、うまくいかない、という人がいる。うまくいかせるためのコツとして、次のことが上げられる。つまり、自分という意識体も、この母体の一部に属しているし、同様に他の意識体も同じ母体の中に含まれることから、意識をバランスよく「アニマ・ムンディ」にアクセスする必要がある。

うまくアクセスできない原因に、よくありがちな”自分という存在に固執し過ぎたり、また欲望に感情が振り回され過ぎる”ことが一番の原因で、ようするに意識の偏りが上げられる。自分への固執や願望への執着は、「原型」に直接アクセスできない偏りとして、想念のノイズ(歪み)を作り出してしまうからである。

重要なのは意識の偏りを完全に取り去り、バランスよく「アニマ・ムンディ」にアクセスすれば、「願望」とする「原型」に直接アクセスができ、「原型」を自然な形で自由に扱えるようになる。これにより、「願望」は意のままに実現しやすくなるのである。

それには、出来るだけ”自分という存在に固執することなく、客観的な位置づけとして、自分を置くこと、”更には、”願望への執着を出来るだけなくすこと、”が成功への『鍵』となる。

そして、「願望」とするテーマが自分にとって「健全な目的」であれば、更なる力を「アニマ・ムンディ」は与えてくれる。ようするに、その願いが「魂レベル」からのもで、これは、”自分にとって真に必要とするもの”という衝動が働けば、胎蔵界大日如来は、瞬時に応えてくれるのである。

どの本にも、よく「自分の願望を強く意識すること!」等が書かれているが、この点についても間違えやすいので、付け加えておくが、「願望実現」を目的とするのに意識しない人間などいないが、重要な点は「願望」のかけ方である。「願望を強く意識する」=「満たされない願望を叶える」という図式になると、これは、そのまま「執着」につながる。これだと、大概 「願望実現」は、失敗に終わる。

ようするに、成功するためには「願望」のかけ方に秘密がある。この場合、自分も含め全ての「原型」がこの母体に入っていると言ったが、コツは自分とうい存在をその中に「位置」付け、周囲の条件として、それら条件に見合った「原型」を想起して、環境的な状況を想念の中で作り出してしまえば、必要とする『舞台』が全て完成し、当初の「願望」も実現しやすくなる。

この時、自分に固執し過ぎたり、「願望」に執着し過ぎる必要など一切、意味を持たないということが理解できるようになる。これが、「願望実現」を成就させるための宇宙法則から見たノウハウである。

あと、一つ言えることは「願望とする原型」を想起するとき、その人の運命領域にピッタリ合った「原型」を想起してしまう点が上げられる。これは、「願望」を現象化するより、遥かに何十倍も難しく、誰しもが苦戦するところである。

例えば、”自分は将来こうなりたい”、”自分はあんなふうになりたい”と思って想起するとき、どんなにイメージ・トレーニングしても、その人が思い描いた以上の「原型的な質」を引き出すことはない。決まって言えることは、その人の運命域にピッタリ合った「原型」を引っ張り出してしまうということ。

「アニマ・ムンディ」は、「原型」の質まで、保証することはないという法則があり、「原型の質」はその人の持っている運命域がそのまま反映されることから、その運命域に見合った「原型」を引き寄せてしまう。例えば、”良い結婚がしたい”という「願望」を思い描いても、その人が持っている「理想とする結婚観」と「自分の運命的な気質」がこの「原型」に密接に絡んでくることから、当然ズレが微妙に生じてしまうのは自明の理である。

これら、「原型の質」を向上させるためには、当然ながら「理想とする願望=原型」に見合った、「自らの運命的な気質」を同時並行的に変えて行かなければ、「原型の質」は一向に変らない。たとえ「願望」が実現しても、不合理な結果をもたらしてしまうのである。

この「理想とする願望=原型」は、あらゆる「原型」にも、この法則は適用されており、願望とする「原型」一つひとつに、同様な形で「自らの運命的な気質」を変えてゆかねば全体的な運命は変らない。過去と同じ運命的なパターンから脱出するためには、新たな「質の高い原型」を引き寄せるための「運命域の変革」が求められるのである。