http://www.amorc.jp/meaning_of_life/worry.html より
あなたの子供さんに「人はなぜ生きるのか」と尋ねられたら、どう答えますか。
「人は、なぜ生きる必要があるのか」
「そもそも人はどうしてこの人生を生きて行くのか」
「自分の生きる意味は何か」
「人生に対して、説明しがたい不足感で悩んでいます」
これらの疑問に対して、次のように答える方がいます。
「今が充実していれば、このような疑問は出ない。」
「今に不満があるからそんなこと考えるのではないか?」
ほんとうにそうでしょうか。
現状に満足していても生きる意味について悩むこともある。たとえば、もう30年以上前のことになりますが、私の知り合いに、ある外資系の機械メーカーに就職された方がいます。
思いやりの深い性格で多くの人望を集め、持ち前の豊かな発想で、 会社にとって重要なプロジェクトを何度も成功させてきました。
そして今では、その会社の上席の管理職として活躍されています。
結婚されて2人のお子さんがおり、上の息子さんはすでに独立し、下の娘さんは有名大学に在学中です。
また、一戸建ての住宅のローンも繰り上げで返済を終え、会社の将来に不安はほとんどなく、奥様との間も円満で、うらやましいほど順風満帆の人生です。
しかし、酒がすすむと、私に次のように言いました。
「ああ、確かに幸せだよ、だけどね……」何年も手がけてきた大きなプロジェクトを完了し、仕事の経緯を振り返りながら一息ついているとき。
あるいは、久しぶりに古い友人たちと話した高校の同窓会の帰り道などに、 生きる意味についての疑問が、 心の表面に浮き上がってきて、 苦しいほどの悲しみとはかなさを感じるのだそうです。
この感情は、親しい人たちや人生そのものを、愛すれば愛するほど強まっていくようです。
これはほんの一例ですが、なぜ生きるのかという根本的な疑問について深く悩むことは、現状に満足しているかどうかには関係がないように思われますし、この悩みは、若い人だけのものではありません。
なぜ生きるのかという問題が、心に迫ってきたことはありませんか?
あなたにも、今までのご経験を振り返ってみていただきたいのです。
親しい方の法事の席、あるいは、子供さんの結婚式の数日後、 また、それほど特別な状況ではなくても、ある歴史的な人物の生涯についての、 素晴らしい小説を読んだり、映画を見たりした後など、人生の意味という問題が、心に迫ってきたことがあるのではないでしょうか。
しかし、この疑問を、そもそも解決がつかないものとして、心の奥底に、そっとしまってしまわれてしまう方も多いようです。
未熟な哲学的考え方にだまされないで ある人は次のように言い放ちます。
「最終的には、自分にとってすべては無になるのだから、生きることに意味などあるはずはありません。」
このような乱暴な発言を聞くと、とても悲しい思いがします。
深刻に悩んでいる若い人がこの発言を真に受けて、未来の可能性を、 もし絶ってしまったらとは考えないのでしょうか。
そもそも、このような発言をする人は、何か調査をしたのでしょうか。
未熟な哲学的考え方にだまされないでください。
何冊か本を読めば分かりますが、すべてが無になる」と言う点についていえば、哲学者、思想家、宗教学者の大部分は、そのようには考えていません。
また、現代の一流の科学者の中にさえ、「死後はすべてが無になる」とは考えていない人が多数います。
ですから、「すべての人の人生に意味がある」ということを、この理由から否定することはできません。
一方、「人生の意味」という疑問を、ほんとうに納得いくように解決することは、確かに容易なことではありません。
それは、人生というものがとても複雑なものであり、様々な要素が絡み合っているものだからです。
「人生の意味」を解明するためには、多くの方向からアプローチする必要があります。
「人生の意味」という問いは他人から押しつけられるものではありません。
「人生の意味」については、あなたがご自身の考え方で答えを築いていく必要があります。
あなた自身と、周囲の愛する人たちのために「人生の意味」を探求しませんか
長いこと生きていれば、様々なできごとに出会いますし、どれほど恵まれた人でも、
その中には、つらい体験も含まれます。
しかし、自力で築いた人生についての哲学は、それらの苦難を、 自信を持って乗り越えるための力強い支えになります。
将来、成長したあなたのお子さんに、こう尋ねられたときのことを想像してください。
「人生って、結局、何なのかなあ。」
もしあなたの考えがまとまっていなければ、この機会は、ただ通り過ぎて行ってしまうでしょう。
しかしもしあなたが豊かな人生経験と思索に支えられた 「なぜ生きるのか」ということについての自分の哲学をお持ちであれば
あなたとお子さんの間には、一生思い出に残る、素晴らしい会話が進んでいくことでしょう。
あなたの人生経験と大切な思いをお子さんに伝える、最良の機会となることでしょう。
ですから、あなた自身と、周囲の愛する人たちのために、この文章をお読みになった機会に、「人生の意味」についての探究を始められてはいかがでしょうか。
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