http://youjo-labo.com/improve-heart-disease-8967.html より
「イップス病」をご存知でしょうか?
「イップス病」というのは、例えばゴルフで最後のパットを入れると優勝で1億円もらえるという場面では手が震えてパットが入らない。
普通であれば入るような簡単なパットですが、緊張で手が動かなくなるのです。
ここ一番という時に失敗してしまう、これを「イップス病」と言います。「イップス」では『ナニナニしなければいけない』」と感じる強迫観念が強くなっています。
無意識の中に存在している記憶/感情/思考が滑らかな身体活動を停止させてしまうのです。
全然手足が動かなくなってしまうので、いつも通りの自分ではなくなってしまいます。これは「うつ病」ではないですけど、その瞬間だけ「うつ病」に近い精神状態になるわけです。
「イップス」になっている時は「ストレス脳」状態になっています。これをメンタルトレーニングによって「リラックス脳」に変えていきます。
心理学的な観点からは、「リラックス脳」状態は意識と無意識の統合が成立している時に現れるといえます。
富士山『心のケア合宿』では、さまざまな方法で意識と無意識の統合を図り、参加者それぞれの境遇において潜在能力が最大限に発揮されるように支援します。
心のバランスを回復していく
現代精神医学は人間としての患者に向き合わず、あまりにも容易に薬剤処方に走り、知らず知らずのうちに患者を薬物依存症に陥らせている傾向があります。
多剤処方による健康被害は、専門家でさえ警鐘を鳴らしているほどです。
「うつ病」には抗うつ剤として「SSRI」というセロトニンを上げる薬がよく処方されます。
しかしながら、「うつ病」の病態には複雑な因子が絡んでおり、セロトニンの欠乏だけがその原因ではあり得ません。抗うつ剤の貧弱な臨床効果がそれを示唆してします。
『単純に薬だけ飲んでても、よくなるものじゃないだろう』と、私は考えます。
まず最初の「うつ病」の診断からおかしいと思います。
例えば、会社で上司に怒られて仕事に行きたくなくなって、今日は会社に行くのはやめておこうと思うこともありますよね。そのうちに出社拒否が1週間くらい続くと、ひょっとして『これは「うつ病」かな?薬飲めば治るんじゃないかな?』と思って病院に行きます。
そして病院に行くと大抵「うつ病」と診断されます。抗うつ剤を出されて、2週間しても良くならないので、また病院に行く。すると薬が増える。こんな感じでどんどん薬が増えていくのです。
薬の副作用もいろいろありますから、多くの薬を飲み続けることで本当の「うつ病」になってしまいます。私に言わせれば薬の副作用による「うつ病」です。全員ではないですが、日本でそのような人がどんどん増えています。
私だったら『それは「うつ病」ではなくて気分が落ち込んでいるだけだから、まずはゆっくり休めばいい』と患者さんに説明します。
私のクリニックに来た患者さんには、鍼治療をしながら、徐々に減薬を指導しています。
ストレスは交感神経活動を増加させ、逆に副交感神経活動を低下させます。
鍼治療はこの高まった交感神経活動を低下させ、低下した副交感神経活動を刺激します。このように鍼治療は ストレスによる自律神経活動の異常を改善できる力があります。
脳から放出されるオキシトシンが抗ストレス作用や抗不安作用を発揮することが知られていますが、鍼治療の抗ストレス効果は、鍼がオキシトシンを刺激することに起因しています。
外傷後ストレス障害(PTSD)の人には、「強い不安感」や「ストレス症状」をうまく処理できないなどの特徴があります。こうしたPTSDに罹った患者の治療に鍼治療が有効であることも米国で報告されています。
「鍼の力」と「声の力」の相乗効果
伝統的瞑想法に不安軽減に大きな効果があることは、広く知られています。最近は、ストレス軽減法としてのマインドフルネス瞑想が注目を浴びています。
瞑想の実践によって感覚や感情をコントロ−ルできるようになれば、その効果は長期にわたり、我々の脳活動に良い影響を与え続けるため、心の愁訴改善に有用と考えられています。
しかも、瞑想には薬による副作用の心配が無いという特徴があります。
富士山『心のケア合宿』では「鍼の力」と「声の力」を合体させ、その相乗効果によって症状の改善を図ります。
いわゆる普通の瞑想はじっとして座ってるだけです。ところが自分で音を出すとその音の刺激が頭に響いて、結局オキシトシンがでるのです。
単に黙って瞑想するというのは伝統的な瞑想の仕方ですが、町田宗鳳先生は声を出して、皆で瞑想するという方法を開発しました。
そして「ありがとう禅」というオリジナルな瞑想法を提唱しています。
座禅の姿勢で座り、最初の10分間は「うれしい、楽しい、ありがとう」の言葉に合わせて、「吸って、ためて、吐く」という三段階の横隔膜呼吸法(腹式呼吸)をします。
次に、 ひたすら「あ、り、が、と、う」を大声で発声し、参加者全員の唱える「あ、り、が、と、う」の声の中に自分の声を埋没させていきます。それぞれの1音ずつの発声が深い腹式呼吸を伴っています。
参加者が「あ、り、が、と、う」を朗唱すると、とても美しい和音がうまれ、この和音が脳髄にまで「こだま」していきます。
人間の声、そしてそれを聞くことには、不思議な力があるのです。加えて『ありがとう』をまさに念仏のように唱えることの心理的な効果も重要です。
『ありがとう』と発声することと『馬鹿野郎』と発声することでは当然、インパクトが違います。感謝の言霊が脳の奥深くまでしみ込んでいくのです。
『ありがとう』という感謝の気持ちと音との相乗効果でオキシトシンの放出が刺激されるのです。町田先生の「ありがとう禅」を通じて、鬱やパニック症などの慢性的症状から回復した多くの事例があります。
『鍼治療、瞑想などを取り入れてみて、とりあえずやってみよう』と、貧弱な「うつ病」治療の現状を打開するための、新しい挑戦はこんな感じでいいんじゃないでしょうか。
我々だけではなく、柔軟な考え方をされている精神科の先生方も徐々に増えてきて、富士山『心のケア合宿』の企画に賛同もしてもらっています。いろんな面白い人達に顧問に入ってもらっています。
例えば、阪大にいた精神科の先生ですが、JR の福知山事故がありましたよね、それで PTSD になった人が沢山いました。
その人たちのために、この先生はヨガや鍼などで治療するプロジェクトを始めました。今は阪大から別の病院に移っておられます。
他の精神科の医者ですが、この人もまた変わっていてお寺の住職なんです。禅寺の住職で、精神科の外来診察でうつの人などに座禅なども瞑想を教えています。
更に面白い人がいます。元々精神科の医者だったのですが、28歳ごろに薬に依存しすぎている精神医療に嫌気がさして医者をやめました。そしてお寺の住職になりました。
カウンセラーさんにも賛同してもらっています。
この方は、市役所に勤めていて35歳で「うつ病」になり、いろいろな薬を飲んでも治らなくて悩んでいました。それを彼は瞑想をやって治したのです。その経験を生かして市役所をやめてカウンセラーになられました。
ある鍼灸師の女性も「うつ病」でした。20歳から27歳まで、毎日30錠ほどの薬を飲み続けていました。
ある時、お母さんに『鍼がいいんじゃの』と連れられて、鍼治療を受けにいったところ、「うつ病」が治ってしまったんです。その後、本人も鍼灸師になりました。
これらのカウンセラーさんや鍼灸師の方にも合宿に来てもらい、もちろんカウンセリングや鍼もしてもらいますが、まず「うつ病」から生還した生の声を皆さんに聞いていただきたいと思っています。『自分がうつの時どんな感じだったのか、そして今はこんなに元気ですよ』など体験談を話してもらいます。
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