「死ぬ瞬間の5つの後悔」から考える自分の価値観を生きる大切さ

http://valuewalker.hateblo.jp/entry/2018/01/01/152002  より

「死ぬ瞬間の5つの後悔」を聞いたことがありますか?

それは、

他人が期待する人生ではなく、自分に正直な人生を生きればよかった。

働き過ぎなければよかった。

思い切って自分の気持ちを伝えればよかった。

友人と連絡を取り続ければよかった。

幸せをあきらめなければよかった。

という5つの後悔です。

今回はこの「死ぬ瞬間の5つの後悔」を題材に、自分の価値観に生きることについて考えてみます。

「死ぬ瞬間の5つの後悔」とは

オーストラリア生まれのBronnie Ware(ブロニー・ウェア)。彼女は終末期の方に向けた緩和ケアに長年携わり、多くの患者を看取ってきました。その経験をまとめた本『死ぬ瞬間の5つの後悔』が日本語でも出版されています。

同書によれば、終末期にある方の後悔として、以下の5つが最もよくみられたようです。

1. 他人が期待する人生ではなく、自分に正直な人生を生きればよかった。

I wish I'd had the courage to live a life true to myself, not the life others expected of me.

全ての人に最も共通してみられる後悔です。多くの人は、他人が期待する人生を生きることにより、自分の夢が満たされないままだったと感じるようです。

2. 働き過ぎなければよかった。

I wish I hadn't worked so hard.

男性によくみられる後悔です。仕事が忙しすぎて、我が子の成長を見逃してしまう、家族と一緒の時間を十分に持つことができなかったと感じるようです。

3. 思い切って自分の気持ちを伝えればよかった。

I wish I'd had the courage to express my feelings.

他者との対立を避けるあまり、多くの人が自分の感情を抑えすぎてしまうようです。また場合によっては、望ましくない精神状態から健康を害することもあるようです。

4. 友人と連絡を取り続ければよかった。

I wish I had stayed in touch with my friends.

旧友との関係の大切さに気づかずに、連絡をとらなくなってしまいます。そして、多くの人が、死ぬ間際に旧友に会いたくなるようです。

5. 幸せをあきらめなければよかった。

I wish that I had let myself be happier.

多くの人は、幸せは選択ということに気がつきません。そして自分の古い習慣やパターンにしばられ、変化への恐れから「自分は満たされている」と自分を偽ってしまうようです。

死ぬ瞬間の5つの後悔をみて、どう感じましたか?ハッとしたものもあれば、過去の苦い経験、また後悔することがないように日頃から意識していることもあるかもしれませんね。

よい生き方とはあなただけの価値観を生きること

後悔だらけの人生に陥らないために大切なことは、「自分の価値観に真っすぐに生きること」です。

より良い生き方は人により異なります。ある人は生涯現役、死ぬまで仕事に打ち込みたいという人もいます。ある人は、家族や友人とゆっくりとした時間、丁寧な暮らしを大切にしたいと思います。ある人は芸術やスポーツなど自分の趣味に没頭したいでしょう。

人生でどんな選択をするにせよ、自分の価値観に沿って人生を歩むことができているか、それが最も重要だと思うんです。それさえできれば、人生で起こる楽しいこと、嬉しいこと、悲しいこと、苦しいことも含めて、人が幸福(Well-being)を感じられる状態だと思っています。

逆に、自分の価値観に基づき、「~したい」という夢を持ちながらも、それに取り組まなかったとき、後悔が生まれます。たとえ結果的に「失敗した」「夢破れた」としても、「挑戦した」「やり切った」と自分が感じていれば大きな後悔にはなりえません。

つまり、人生において後悔が生まれるのは、自分の価値観を沿って、自分に正直に生きることをしなかった場合。でも、一体なぜ自分の価値観を生きることが難しいのでしょうか?「自分のしたいことが分からない」と言う理由もあるでしょうが、今回は「恐れ」を取り上げます。

人生にあらわれる代表的な3つの恐れ

自分の価値観に従って、自分の人生を歩もうとするとき、私たちはよく「恐れ」の壁に直面します。

今日は代表的な3つの恐れをみてみましょう。

一つ目はお金への恐れです。現代社会にはお金への恐れが強くあると思います。お金がなければ生きていけない、幸せになれない。だからこそ、できるだけ多くお金を稼ぎ、お金を貯蓄しておく必要があると考えます。

典型的には、「好きなことをやって、生きていけるのか?」といった問いを自分自身に投げかけがちです。実際にお金が制約となり、自分の好きなことをしていない、踏み出せない、という方にもたくさん出会ってきました。

二つ目は周囲の人への恐れです。人は社会的動物でもあり、世の中は「常識」に溢れています。それは家庭、学校、職場、メディアなどいたるところにある「こうすべき」です。

自分の価値観に従って何かを始めようとするとき、私たちが出会うことは、「そんなことは止めたおいたほうがいい」「そんな人生は普通じゃない」という周りからの反対や心配の声、忠告や助言です。周りの目を気にして自分を制限してしまうと、後悔が生まれることになるでしょう。

三つ目は、最も重要とも言える、自分自身に対する恐れです。自分の価値観に沿って生きるとき、「自分にはそれができないのではないか」という自分自身への不信が生まれます。また、失敗自体よりも、自分ができないことを知ってしまうことへの恐れもあるでしょう。

こうした恐れの存在が、誰かの人生を生きてしまうことにつながり、自分の人生を生きることを妨げます。

念のため補足しますが、恐れ自体は悪いものではありません。それは痛みから自分を守ろうとしているのです!

意識的な「選択」プロセスを大切にする

恐れを手放す一歩として、自分が無意識に持っていた恐れに気づくことはとても重要です。

私の母校であるイギリスのシューマッハ・カレッジ。その創設者サティシュ・クマールは「私は何に恐れているのだろうか?」とよく自分自身に問いかけるといいます。

そして、自分の恐れを認知できれば、自分がどうするかを選択できます。実は私たちの行動の多くは無意識的な反応に支配されています。つまり、自分の恐れを踏まえた、意識的な選択というプロセスを経ていないことが多いのです。

さらに「信頼」を頼りに生きよう

恐れの認知、さらに、自分の価値観に真っすぐ生きる時に大切なのが信頼です。(「恐れ」の反対は「信頼」です。)

他人、社会や自分自身を信頼する。

「でも信頼できない場合にはどうしたらよい・・・?」と感じたら、「私は信頼できる」ということを信頼しましょう。