マインドフルネスは瞑想ではない!?5つの効果と活用されている事例

マインドフルネスという言葉をご存知でしょうか。 

http://healthcare110.com/mindfulness/より

直訳するとマインド(=心)がフル(=満たされている)状態のことで、「今、ここに全身全霊意識を向ける」考えをベースとした「瞑想法」として知られています。

これが、物事において最高のパフォーマンスを引き出す手段として高く評価されており、2000年以降、企業経営という点においてもじわじわと流行ってきているのです。

予防医学とは密接なかかわりがあるマインドフルネス、瞑想のイメージが先行しているのではないでしょうか?

日本では、うつや自閉症への認知療法、ホスピス緩和ケア、スポーツへの介入、企業が研修に取り入れることも多くなってきて、その考え方は実に幅広い領域で注目されています。

今回はマインドフルネスとは何か?

その効果と活用されている事例とともにご紹介しましょう。

マインドフルネスとは?

マインドフルネスを初めて聞く方・少し知っているよという方はマインドフルネスにどんなイメージを湧かすでしょう。

ちょっと宗教的?

哲学的?

スピリチュアル?

ヨガ?

瞑想?

どれも正解です。

もともとは仏教の考え方から由来したもので、アメリカで切り離された一部の考えが流行り、それが日本に逆輸入する形で広まりました。

マインドフルネスとは、この領域の権威と言われるジョン・カバット・ジン氏はこう定義しています。

Mindfulness is the awareness that arises through paying attention on purpose, in the present moment, non-judgmentally to the unfolding of experience moment by moment.                                                   

訳すと、「今この瞬間に、偏った価値判断を加えることなく、意図的に、能動的な注意を向けること、そしてそこから得られる気づき」です。

簡単にいうと、

「今やっていることにものすごく集中して、いつものことをいつも以上に感じ取ること」

わかりにくいでしょうか(笑)

的確に表現できる日本語がないため、どの説明を読んでもわかりにくいとは思います。

この「集中すること」を「awareness」と置き換えたらしっくりくる方もいらっしゃるでしょうか。

例えば、いつものようにご飯を食べることをマインドフルネスにやってみると、ただ食べるのではなく、

ご飯の香りを楽しんで

色を見てほっとして

よく噛んで味わって

ご飯の暖かさや甘みや食感を感じて

意識して食べる。

このように、今の行動にものすごく五感を注ぐことを「マインドフルな状態」といいます。

この状態は、人や自分の判断・善悪を主観的に主張する状態ではなく、どんな感情も客観的にとらえて受け入れられる状態です。

それをすることで心がより満たされ、良いことにつながることが多いです。

良く知られているマインドフルネス瞑想の効果

マインドフルネスの考え方より先に一人歩きして流行っているのが、「マインドフルネス瞑想」です。

マインドフルネスはそもそも手法ではなく「心を整える」考え方。

その方法として代表的なのが瞑想やヨガで、形がありわかりやすいので瞑想やヨガとセットで実践されることが多いのです。

マインドフルネスの方法の1つであるマインドフルネス瞑想の効果は、

高血圧の改善

血糖値やコレステロールの上昇抑制

不安の軽減

ヒーリング効果を高め

大脳皮質の発達につながる

といったことが科学的に証明されています。

大脳皮質は注意力、感覚処理、記憶、認識など、高次機能に関与しています。

マインドフルネスを活用した様々なプログラム

マインドフルネスの実践効果は医療現場でも注目されており、患者のストレスの軽減や鬱病の再発防止を目的とした、8週間プログラム(MBSR)は広く普及しています。

また、企業では、従業員の幸福感や満足感の向上・モチベーションアップ・生産性向上といった面で活用されたり、

スポーツにおけるパフォーマンスの向上、子供や若者を対象とした教育プログラムでは、精神的落ち着きや学習能力の向上などで応用されています。

このように、マインドフルネスは実に様々な分野で注目されているのです。

もともとは、仏教から派生したものですが、徐々に医学や心理学でも使われるようになり、2000年代以降、経営学や企業経営におけるリーダーシップ開発、人材開発の分野でも活用されるようになりました。