病気と治癒に関する基本的考察 後半

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バッチ博士の著作「病気と治癒に関する基本的考察」より 【後半】

エドワード・バッチ博士が1930年に『ホメオパシー・ワールド』に掲載した“病気と治癒に関する基本的考察”より、抜粋した文章の後半を掲載します。前半部分に続いての文章です。

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 完成の域へと探求していく過程には、さまざまな段階があります。私心を無私へ、そして自分中心の孤立した視点から、万物全体という調和した視点へと変えることは、すぐになし得ることではなく、だんだんと着実に育てていくものです。人間が成長する過程で、段階を追って学び取っていく必要があります。比較的簡単に学べることもあれば、非常に難しい段階もあるでしょう。そのような困難なん段階で、人は病気になるのです。それは、高次の自己の命ずる声に従わないことで心に葛藤が起こり、その葛藤が病気を生み出すからです。

 魂の声に従わない特定の段階に応じ、その精神状態が体にも現れ、患者だけでなく、患者に関係する人にも影響を及ぼします。ですから、患者の精神状態は、医師に病気の根本原因を示し、治療を成功に導くための基本的な方向性を与えてくれるものと言えます。

 これによって医師は、患者が求められている努力、つまり、患者がどこで間違いを犯しているのかを突き止め、回復のために適切な治療法を導き出すことができるのです。

 ハーネマンは「類似のものは、類似のものを治す」と説きました。これは、ある程度まで真実だと言えます。けれども、「治す」という言葉は少々誤解を招きます。「類似のものは、類似のものを跳ね返す」という方が、より正確でしょう。

 病気は本来、類似のものが類似のものを治す、あるいは、より正確に言えば、類似のものが類似のものをはね返す性質を持っています。

 病気は、患者の間違った行動をやめさせるために現れるものです。つまり病気は、私たちの人格を魂と一致させる一番効果的な方法と言えます。苦痛がなかったら、残酷な行動がどのように人を苦しめるのか実感できるでしょうか。一度も喪失を経験することがなければ、奪われる苦しみを十分理解できるでしょうか。確かに人は精神的な課題を学べば、肉体的な苦痛は必要なくなるのですが、多くの人が課題を学べずにいます。ですから、病気というものは、人間の成長を早めるためにもたらされているのです。私たちの狭い見方では、病気は残酷に見えるかもしれません。しかし、実際には本来、慈悲に富む有益なものと言えます。自分の間違いを理解できるよう導くために、慈悲に満ちた父なる魂が取った手段なのです。

 

 また、忘れないでいたいのは、苦痛は(もちろん賢く避けるべきですが)、ある意味では特権といえるべきものだということです。それは、人格が間違いを改められる段階にまで、成長したことを表しているからです。例えば、ほんの小さな赤ん坊は、課題を学べなくても叱られることはありません。

 ですから私たちは、どうしたら病気にならないで済むのかをすぐに理解できます。霊的な自己の命ずる声に従い、魂との調和を保つことさえできれば、厳しい課題の必要はなくなり、病気と縁のない人生を送れるでしょう。

 したがって、医師の務めとは、患者を霊的、精神的、肉体的に助け、魂と一致した状態にまで後押しすることです。

コズミックホリステック医療・教育企画