乙字ヶ滝(石河滝)・日本の滝百選 Otsuji Falls
五月雨の滝降りうつむ水(み)かさ哉 芭蕉
年の瀬も乙字ヶ滝に落ち合へり 高資
https://tabi-mag.jp/hs0256/ 【乙字ヶ滝】より
甲子旭岳に源を発する阿武隈川の本流に懸かる滝で、「日本の滝百選」のひとつ選定の名瀑が乙字ヶ滝(おつじがたき)。白河盆地と須賀川盆地の境にある渓流に落ちる滝で、落差は6mほどですが川幅いっぱいに懸かるため豪快。乙の字をなして激しい水しぶきをあげて流れ落ちることが名前の由来となっています。
「日本の滝百選」選定の名瀑には芭蕉も訪ねた
1689(元禄2)年旧暦4月29日(西暦6月16日)、松尾芭蕉は『奥の細道』の道中で、須賀川を発って石河の滝(乙字ヶ滝)に寄り道しています。連日の雨で川越えができないため、須賀川滞在を1泊延ばして、滝見物となったのです。
それでも増水のため下流側の横断が不可能で、渡舟場(田中の渡し)で対岸へと渡り、上流へと歩いています。
「五月雨(さみだれ)の滝降りうづむ水(み)かさ哉」。
滝見不動堂あたりからなら滝の全景を眺めることができ、梅雨時や雨後なら100mの川幅いっぱいに落下する様子が「ミニナイヤガラの滝」のように感じられます。
滝見不動堂は、歴代白河藩主が滝見に訪れ、堂宇の修復などを行なってきたといいます。
1813(文化10)年、江戸の俳人・一可が竜崎須賀川(滝見不動堂の氏子が住む地域)の俳人たちの協力で建立された芭蕉句碑も立っています。
江戸時代には鮭が遡上し、滝で捕れた初漁の鮭は、白河藩主に献上。
幕末の1862(文久2)年には、舟運のため、川の中央部に通船掘割が設けられましたが、陸上交通に押されて明治10年ごろには廃止されました。
https://www.fukushimatrip.com/3287 【“小ナイアガラの滝”と呼ばれる「乙字ヶ滝」が本当にナイアガラなのか調査してきた】より
ナイアガラの滝といえばご存知の通り、アメリカとカナダの国境に位置する言わずと知れた世界の名瀑。一度でいいから生で見てみたいというも方も多いはずです。そんなナイアガラの滝が福島で気軽に見れるとなれば、すぐにでも足を運びたくなるのではないでしょうか……? というのも、ここ福島には“小ナイアガラの滝”と呼ばれる「乙字ヶ滝」という滝があるんです! 一体どのようなものなのか、気になったので実際に確かめてきました。
本当にナイアガラ? 乙字ヶ滝の真実を確かめにいざ
さて、今回やってきたのはウルトラマン空港の異名を持つ福島空港がある、須賀川市。ナイアガラの滝が見られるという場所は空港から10分程ということなので早速向かいます。
ちなみに、アメリカとカナダの国境にある本物のナイアガラの滝は、落差53m、幅670m、滝壺の深さ56mもある北米で最も規模の大きな滝です。
お、大きい……。
空港からは「案外近いなぁ」と思っていたら本当にあっと言う間に到着し、“名所 乙字ヶ滝”と書かれた石碑を発見。あれ、もう着いた……(笑)。
駐車場から数分歩いたところに瀧見不動尊というお寺が。すると辺りから微かに“ドドドドド……”、ぶつかり合うような水の音が聞こえてくるではありませんか! 期待が高まります。
これが小ナイアガラの異名を持つ「乙字ヶ滝」
これが……、福島のナイアガラの滝!
ちっさ!
可愛らしいナイアガラの滝「乙字ヶ滝」ですが、落差はあまり無いものの、川幅100mに渡って飛沫を上げながら流れ落ちる姿は、それなりの迫力があります。ここ「乙字ヶ滝」は東北で2番目の長さを持つ阿武隈川(1番は北上川)で唯一の滝として、江戸時代には舟運の最大の難所とも言われていました。 水が乙字の形をして流れ落ちることから「乙字ヶ滝」の名が付き、“日本の滝100選”にも選ばれています。この日は水量が多かったので「乙」の形が少しわかりにくいですね(汗)。
乙字ヶ滝の流れを見ながら“200年前”に思いを馳せてみよう
壮大な水の流れを見ていたらなんだか、一句詠みたくなってきました!
五月雨の 滝降りうづむ 水かさ哉
実はこの句は遡ること200余年、かの俳聖・松尾芭蕉が「おくの細道」行脚の途中、この地を訪れて詠んだものと言われています。滝の側には芭蕉と弟子の曾良の石像も。五月雨で水かさが増した「乙字ヶ滝」の流れを見ながら芭蕉はどんなことを考えていたのだろうか、当時を思い偲んでみるのも良いかもしれませんね^^
まとめ
「乙字ヶ滝」は、雄大な景色もさることながら、滝を眺めながら200年も昔の人と心を通わせることができるのが魅力のスポットにして、小ナイアガラと呼ばれるだけの迫力は本物でした! 日々の疲れなども水に流して心をリフレッシュさせたいときにはピッタリの場所ではないでしょうか^^
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