胎内記憶の心理学

Facebook・清水 友邦さん投稿記事  胎内記憶の心理学

FBでお友達になった五十嵐さんのコーディネイトによるトマス・バーニー博士&池川明博士講演会を視聴しました

池川明博士のことは映画『かみさまとのやくそく ~胎内記憶を語る子どもたち~』を見た人はご存知だと思います。

「子供達は、ママ達が笑顔でいてくれることを一番望んでいます。

そして、どの子供も、ママを助けるために生まれてきたんだと異口同音に言います。」

帝王切開で生まれてきた子供が

「ぼくがおかあさんのおなかにいるときに、ほうちょうがささってきて、しろいふくをきためがねのひとにあしをつかまれて、おしりをたたかれました。こんどはくちにゴムをとおしてきて、くるしかったのでないてしまいました」と証言、

自分がお腹の中にいるときの両親の様子を「お父さんがお母さんに土下座してあやまった」と胎内記憶を話す子供たちを研究している産婦人科医です。

近代科学では「胎児もしくは出産直後の新生児の視力で、メスや眼鏡をかけた医師を認識できるわけがない。」まして胎児がお中の外の様子が見えて記憶しているなどの報告はオカルト・トンデモ扱いされしまいます。

ところがトマス・バーニー博士はアカデミズムから逸脱しないで丹念に論文を集めて胎児の心理学の学会を立ち上げていたのです。

バーニー博士によると体内記憶の心理学の歴史が最初に始まったのはザビーナ・シュピールラインという女性の論文からだということです。

ザビーナ・シュピールラインをめぐるフロイトとユングの確執が「危険なメソッド」という映画になっています。

ザビーナ・シュピールラインは優秀な女性でしたが母国ロシアに戻ってからスターリン時代の粛清にあい、侵攻してきたドイツ軍に娘二人とともに虐殺されて歴史の闇に葬られてしまった女性です。

続いてオットーランクとスタニスラフ・グロフのバース・トラウマ(出生外傷)が紹介されました。

誕生前後に胎児がストレスを受けると誕生後の人生の中で不安や恐怖や無力感として現れることがあるという指摘です。

ところで『バース・トラウマ(出生外傷)』で検索にかけたら2番目に病院のHPが出てきて、どこかで見た文書だと思ったらすでに消えてしまった昔のHPの自分の文章が(出典)として引用されていてびっくりしました。

吉福さんのグロフ・ブリージングのワークショップを私が岩手で主催したのが88年ですからもう30年以上経っています。

私の個人セッション・ワークショップでも多くの人々が胎内記憶を報告しています。

バーニー博士は体内記憶が伝説や神話のもとになっていると述べ重要な人物としてR・D・レインを上げています。 

世界中の神話に英雄が河に捨てられる幼児追放という神話のモチーフがあります。

レインによると受精卵は子どもを表し、卵管は子どもが投げ込まれる河であり、子宮は子どもを受け止めてくれる存在を表しています。そして誕生とは逆転した受精卵の着床であるといっています。

バーニー博士が最初に論文を発表した時にレインは賛同してくれたということです。

池川明博士が1992年7月20日のワンダーゾーンというTV番組で胎児がお腹の中にいる時に聞いていた音楽を覚えている話をしていましたが家の中にそのビデオがありました。

トマス・バーニー博士は後半に非常に興味深い最近の研究を話してくれました。

光は波動と粒子の二つの性質を持っていますが、同時に二つの性質を測定することが不可能なのです。 位置を測定するとエネルギーが、エネルギーを測定すると位置がわからなくなります。

波動の姿を見せるか粒子の姿を見せるかはわたしたちがどのような種類の問いかけをするのかにかかっているというのです。

波動でもあり粒子でもあることを非局在性と呼びます。 非局在性の思考実験に有名な「シュレディンガーの猫」があります。

まず、一匹の猫を捕まえて有毒ガスが何時噴出するか判らない装置を仕掛けた箱に猫を入れます。 この箱を開けた時に猫は死んでいるか生きているのどちらかです。 有毒ガスが出れば猫は死に、出なければ生き続けます。 量子力学ではそうしたことはありえません。 箱が閉されているかぎり、そこにあるのは生と死の確率的な重ねあわせです。 すべては波動関数の重ね合わせですから、猫は生きていてなおかつ死んでいるということになります。

観測するという行為自体が素粒子の状態を変えてしまうのです。

科学では客観的に客体を観察し記述しなければなりませんが、素粒子のレベルでは私という観測者も観測されるものに影響をあたえてしまうので観測者と観測されるもの両方含めた全体が問題になってくるのです。

もはや世界を客観的に観察することは出来ず世界を主体と客体の相互作用としてか捉えられないのです。

文化人類学で研究者は先住民の社会にフィールド・ワークに出かけてゆきその社会の記録を取ります。 ですが学者が訪れたことにより、学者を意識して人々は以前とは違った行動をとってしまいます。 学者が関与したことによって社会の構造が変化してしまい、もはや訪れる以前の社会を客観的に記述することは出来ないのです。 記録出来るのは元のあるがままの社会ではなく学者が関与して変化した社会で、しかも学者の見方を反映した社会なのです。

孤立した実体というものは存在せず、すべての事物は関係性のなかで存在しているのです。

池川明博士は意識が確率に影響を与える実験の話をしていました。

それはアメリカの女性心理学者ガートルード・シュマイドラー博士によって1949年に発見されたシュマイドラー効果を思い起こさせました。

超能力に肯定的・中立的な人は偶然以上に的中する確率が高く、否定的で懐疑的な人が実験に加わると偶然以上に確率が低くなるのです。

意識は物質世界の一部ではなく物質世界をはるかに超えているということなのです。

最後にバーニー博士は胎内記憶の心理学が意識と物質、心と脳がどのような関係にあるのか明らかにするポスト物質科学の大きな可能性を秘めていることを話してくれました。

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