綺麗な鉱物には毒がある。最も危険な10の岩石と鉱物

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【綺麗な鉱物には毒がある。最も危険な10の岩石と鉱物】 より

地球に眠る美しい鉱物や岩石。そのまばゆいばかりの美しさに思わず手に取ってしまいがちだが、ちょっと待て欲しい。それには猛毒が含まれている可能性があるのだ。

ここで紹介するものは、海外サイトでまとめられていた、美しさとは裏腹に危険な毒を持つ10の鉱物である。

最近発見されたばかりのマグマの鉱脈で作られる結晶性鉱物。水銀がテルルという極めて毒性が強いレアメタルと結合してできる。2つの毒物の組み合わせによって、適当に扱おうものなら危険な毒作用を示す。加熱されたり、化学変化したりすると、致死性の蒸気とチリが生じる。

面白いことに、コロラドアイトはテルル欲しさに発掘される。テルルは金と結合していることがあるからだ。この事実が明らかとなると、オーストラリア、カルグーリーはそれまで道路補修材にされていたテルルを求めて奇妙なゴールドラッシュに沸いた。

9. 胆礬(たんばん)

魅惑的な青い結晶は銅が硫黄や水などと結合したものだ。銅は過剰に摂取すれば毒性を発揮するとは言え、人体に必須の鉱物である。しかし他の物質と組み合わさったことで、生物学的に高い利用可能性を有することになった。すなわち水に溶け、動植物に大量に吸収されるのだ。これによって体のプロセスを停止させ、弱らせたり、命を奪ったりするようになった。

その塩分の味見を試そうなどとは絶対に思わないことだ。さもなければ銅の過剰摂取状態となる。池などに投じれば藻類を全滅させることも可能で、生態系に大きな脅威を与えることになる。美しく、希少性も高いため、人工胆礬を生産する企業もあり、市場には偽物が出回り始めた。

8. ハッチンソナイト

タリウムの闇の双子である。この分厚く光沢のある金属は原子質量は似ているが、ずっと危険だ。タリウムは、毒性の強いレアメタルだ。これに暴露すると、抜け毛や重度の障害、それも多くの場合死にいたる重篤な結果が待っている。

ハッチンソナイトは、タリウムと鉛とヒ素が運命の出会いを果たしたものである。強烈な毒性を有する3種の金属のカクテルの取り扱いには細心の注意を要する。その名称はケンブリッジ大学の著名な鉱物学者ジョン・ハッチンソンに因んだものだ。ヨーロッパの山岳地帯の鉱床などで見られる。

7. 方鉛鉱(ほうえんこう)

鉛の最も重要な鉱石鉱物。不自然なほど均整のとれた銀の光沢を持つキューブを形成する。ハンマーで叩けば、砕けてより小さなキューブとなる。通常、鉛は非常に柔らかいが、硫黄成分のために非常に脆く、また高い化学反応性を有するようになった。

 方鉛鉱はこれに暴露された労働者や愛好家に大きな被害を及ぼしうる。鉛塵の舞う炭鉱労働者は、これによって中毒の高リスクにさらされる。また方鉛鉱から抽出された鉛は、環境や健康に対する脅威となる。

6. 石綿(いしわた、せきめん)

石綿は天然のものだが、地球上で最も恐るべき鉱物の1つだ。他の鉱石はその化学的性質が毒として作用するが、石綿は人間の肺の中で機械的な破壊工作を行う。シリカ、鉄、ナトリウム、酸素で構成され、小さな繊維状の結晶が固まったもので、これが空気中を漂い、肺の中に侵入すると、肺組織に傷をつけ慢性的な炎症を引き起こすため、癌の原因となる。

 またケイ石の中にも形成されている場合があるので、発掘には注意が必要だ。天然の羽とも言うべき性質があるため、地球の大気に拡散しており、多くの人の肺に石綿の繊維を見ることができる。

5. 硫砒鉄鉱(りゅうひてっこう)

金に似た金属類を愚者の金と言い表すことがあるが、この鉱石を金と見間違え、そして拾い上げることもまた愚かなのだ。硫砒鉄鉱はヒ素硫化鉄であり、黄鉄鉱と同じ種類の鉱物だが、それよりもヒ素が多く含まれる。加熱したり、化学的処理を行ったりすると、ヒ素の強いニンニク臭とともに、猛毒性、腐食性、発がん性のガスが発生する。また表面には有害なヒ素化合物が付着していることもあるので軽々しく触れるべきではない。試しにハンマーで叩くと火花とともに、強烈なニンニク臭がするため、見分けることができる。

4. 燐銅ウラン石(りんどううらんせき)

プリズムのような緑の結晶は、花崗岩質岩石の二次鉱床として形成される。リン、銅、水、そしてウランの複雑な反応で形成される美しい結晶は、鉱物コレクターを誘惑するには十分だ。しかしポケットサイズのチェルノブイリで起きるウランの崩壊だけでなく、そこから放出されるラドンガスも肺を蝕み、徐々にガン化させる。触れてはいけないものの1つだろう。その輝きはウラン鉱脈の存在を示すサインでもある。

3. 輝安鉱(きあんこう)

硫化アンチモンだが、銀に似ている。そのために、この金属的な光沢を持つ結晶はかつて豪華な食器の飾りとして使われた。しかし剣状の結晶にはそれを使用した者を死にいたらせる力を有している。そして、これが最悪の食中毒を起こすと知らずに食器を使った人間を幾人も殺してきた。普通にコレクションするだけでも、取り扱いには細心の注意が必要だ。これに触れた後は手を洗うことが望ましい。愛媛県市之川鉱山は良質な輝安鉱の産地として、世界的に有名だった(現在では閉山)。

2. 雄黄(ゆうおう)

ヒ素を超える毒物は、ヒ素と硫黄からできた岩だ。猛毒で、化学反応性の高い雄黄は、熱水噴出孔付近に形成された鉱物表面の下に見られる。非常に魅惑的な色をしているが、これを手に取ると、発がん性と神経毒性があるヒ素粉がつく。

 辰砂(しんしゃ)と同じく、中国では顔料などとして広く利用さており、多くの犠牲者を生んだ。また雄黄の粉末に鏃を擦り付ければ、投石よりもずっとエレガントな毒矢が完成する。ヒ素が含まれるため、強いニンニク臭でも知られている。光にさらすと崩れて、危険な粉が出来上がる。

1. 辰砂(しんしゃ)

賢者の石と呼ばれる、単一のものとしては地球上で最も毒性が強い鉱物。龍の血を意味する名を持ち、水銀の主な原鉱である。火山や硫黄鉱床の近くに形成する。加熱すると振戦、感覚障害、死の原因となる水銀蒸気が生じる。中世において、スペインの辰砂鉱行きになることは死刑と同義であった。中国では、漆器に施す朱漆の原料として広く利用されていたが、それゆえに命を落とす職人もいた。また信じられないことだが、薬効があるとされ漢方薬として処方されることもあった。


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