2人溺死、おしらじの滝で調査

https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/354960  【2人溺死、おしらじの滝で調査 冷たい水、滑りやすさも矢板【動画】】 より

栃木県矢板市下伊佐野の「おしらじの滝」で8月、滝つぼに飛び込んだ男性2人が死亡した水難事故で、低い水温や滑りやすい水中環境が事故を誘発した可能性があることが3日、NPO法人「川に学ぶ体験活動協議会」(東京都北区)の現地調査で分かった。事故当時の水深は約2メートル。比較的浅い河川や湖沼でも、正しい知識を持って活動しないと命を脅かす危険性があることが浮き彫りになった。

国と連携し、川の活動の指導者育成に実績のある同協議会は3日、関係機関と調整の上、指導者育成の事例研究として現地調査を実施。会員4人が、水中をカメラで撮影したほか、水温計測や事故当時の再現などを行った。

同協議会によると、この日の滝つぼに注ぐ湧き水は最低で約9.8度。おしらじの滝はめったに滝が流れることがなく、事故当日も滝は流れていなかった。このため流れがない時、水面以外の大部分は10度ほどだったと推定される。

同協議会の斉藤隆(さいとうたかし)事務局長(50)は「冷水に飛び込むと筋肉が硬直し、呼吸が浅く速くなり水を飲み込みやすく、混乱して溺れたとも考えられる。流れがない分、(水中の温度が上がらず)リスクになった可能性がある」と分析した。

調査では、滝つぼがすり鉢状で、側面に藻類の付着があるなど滑りやすい環境だったことも判明。溺れると、水の上まで上がりにくい状態だったとみられる。斉藤事務局長は「(2人が)同時に飛び込むのはどんな場所でも危険。溺れかけた方がしがみつき、2人とも溺れてしまう可能性もある」と警鐘を鳴らした。

おしらじの滝では8月18日夕方、群馬県から訪れた少年(18)と男性(23)が水面から高さ約30センチの岩の上から滝つぼに足から飛び込み溺れた。知人の女性が110番したが、駆け付けた消防隊員が心肺停止状態の2人を発見、搬送先の病院で間もなく死亡した。死因はいずれも溺死だった。

https://www.asahi.com/articles/ASN997260N98UUHB00X.html  【インスタ映え「幻の滝」に飛び込み死亡 低い水温原因か】  より 栃木県矢板市の「おしらじの滝」で8月、滝つぼに飛び込んだ男性2人が死亡した水難事故で、当時10度ほどだった低い水温が事故につながった可能性があることが、河川に詳しいNPO法人の現地調査でわかった。

事故は8月18日に発生した。県警によると、群馬県から4人で遊びに来ていた23歳と18歳の男性2人が水深約2メートルの滝つぼに飛び込み、そのまま浮かんでこなかった。滝つぼに沈んでいるところを救助されて病院に運ばれたが、2人とも死亡した。水死だった。

川遊びの指導者育成や安全教室を実施するNPO法人「川に学ぶ体験活動協議会」(東京都)が9月3日に現地調査に入った。滝つぼ周辺の水温を計測したり、事故の状況を再現したりした。

「人が流されたり、吸い込まれたりするような場所ではない。なぜここで人が溺れたのか」。調査を担当した橘昌憲さん(39)は疑問に思った。滝の水量は少なく、流れもほとんどなかった。

協議会によると、滝つぼに注ぐわき水の水温は最低9・8度だった。滝に注ぎ込む流水よりも低かった。事故当日、滝は流れていなかったため、滝つぼの水温は10度前後だったとみられるという。事故当日、隣町の塩谷町の最高気温は33度で、各地で真夏日を記録していた。

「温かい水は水面近く、冷たい水は下にたまる。滝つぼに飛び込み、底の冷水に突然全身がつかったことが事故につながったのではないか」と橘さん。滞留している水はかき回されないため、下部に低い水温の水がたまりやすいという。

「水の冷たさのショックで呼吸が荒くなり、思わず水を吸い込んでしまうこともある。筋肉が硬直して動きにくくなり、すぐに上がることができなかった可能性もある」。滝つぼの底には藻が付着し滑りやすくなっていた。つかまる岩場も少なく、脱出を難しくしたとみられる。

橘さんは「2人で同時に飛び込むと、溺れた方がもう一人にしがみついて2人とも逃げられなくなる恐れがある。安全に見える場所にこそリスクが潜んでいる。どんな場所にも危険があると認識して、水遊びをしてほしい」と呼びかけていた。

おしらじの滝は雨の後に現れる「幻の滝」として数年前から話題になった。水面が鮮やかな青に染まるため「インスタ映え」を求める人も増えていた。

 ユーチューブなどネット上には…