10月26日は「柿の日」。日本の国果である柿には多くの逸話がありました。

https://tenki.jp/suppl/daaaaamegane/2016/10/26/16741.html  【10月26日は「柿の日」。日本の国果である柿には多くの逸話がありました。】  より

10月26日は「柿の日」。日本の国果である柿には多くの逸話がありました。

真っ赤に色づいた柿はまるで宝石のようですね

肌寒い日が続き、秋が深まってきました。この時季は、梨やぶどう、リンゴなど、果物が美味しい季節でもあります。今回は秋の果物の中でも、日本の国果である「柿」の逸話をご紹介します。

みなさんは「柿」と聞いて、甘柿と渋柿、どちらを思い浮かべるでしょうか。今となっては当然のようにお店に並ぶ甘柿ですが、実は鎌倉時代までは「柿」と言えば渋柿のことを指していたのです。

日本における柿の歴史は古く、縄文時代や弥生時代の遺跡から柿の種の化石が発掘されています。奈良時代には日本の各所に柿が流通していたとされ、当時は祭祀に使われたり、冬場の大事な糖分補給源として食されていたとのこと。しかし当時流通していたのは、渋柿。人々は渋柿を熟柿や干柿にして食していました。

一方、甘柿は鎌倉時代に渋柿の突然変異種として登場しました。江戸時代には次々と品種改良がなされ、今日本には1,000以上の種類があるとされています。

今年の秋は、様々な種類の柿を食べ比べてみてはいかがでしょうか。

10月26日が「柿の日」であることを知っていますか?この「柿の日」は、柿の販売促進を目的として、全国果樹研究連合会のカキ部会によって制定されました。

それでは、なぜ10月26日が「柿の日」となったのでしょうか。これには、みなさんも知っている有名な俳句がきっかけとなっていました。

柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺

これは、明治時代初期の俳人・正岡子規が、奈良県の法隆寺を訪れた際に書いた句です(当時の子規は病気を患っており、その病状から、「法隆寺を実際に訪れて書いたのではなく、床に臥しながら書いた句ではないか」とも言われています)。そしてこの柿の句が書かれたのが、10月26日でした。またこの時期は、様々な種類の柿が真っ赤に熟す季節でもあります。こういった理由から、全国果樹研究連合会のカキ部会によって「柿の日」と制定されることとなったのです。

柿落ちて犬吠ゆる奈良の横町かな

渋柿や落ちて踏まるゝ石の上

大の柿好きとして知られる正岡子規は、他にも柿の句を多く残しています。旬の柿を食べながら俳句を一句したためてみるのもいいかもしれませんね。

柿の発見者であるカール・ベール・ツンベルグ博士は、ギリシャ語で柿に「Dios(神の) pyros(食物) Kaki」という学名をつけました。

柿にはビタミンやミネラルが豊富に含まれており、日本では昔から重要な栄養補給源とされていました。さらに、栄養価の高い柿を食べれば健康になれる、という昔の人々の考えから、「柿が赤くなれば医者は青くなる」という諺まで生まれています。まさしく柿は昔の人々からすると「神の食物」だったのかもしれませんね。

最近では、スムージーやパイ、パスタなど、様々な形で食卓に並ぶ柿。今まさに旬の柿を使った栄養満点の料理で、寒さで崩しがちな体調を整えてみてはいかがでしょうか。


https://tenki.jp/suppl/usagida/2015/10/16/6341.html 【柿が色づき甘くなると、秋が元気になるのです。「医者を青くする」驚きの柿パワーとは?】より

柿が色づき甘くなると、秋が元気になるのです。「医者を青くする」驚きの柿パワーとは?

筆柿。男性の宝(それです)に似ていることから、「珍宝柿」という別名も

「柿が赤くなると医者が青くなる」という諺があるくらい、ビタミンとミネラルが豊富な柿。ツヤツヤのおもちゃのような姿と酸味のないお菓子のような味が、とっても個性的なフルーツですね。秋が深まるのが嬉しくなる、柿のパワーとは。さらに「柿の種」問題についてもスッキリさせましょう!

学名は「Diospyros kaki(ディオスピロス・カキ)」、日本語がそのまま使われています。意味は「神様の食べ物」。 縄文・弥生時代の遺跡から柿の種が出土し、『古事記』や『日本書紀』には柿の名前が記されています。平安時代の法典『 延喜式(927年)』にも記録が残され、木簡には「干し柿献上」の記述が。日本人と柿は、古くから深く結ばれていたのですね。

いちばんの特徴は「お菓子級に甘くて 酸味のない味」。たいていの果物は、酸をためることで 種ができる前に動物に食べられてしまうのを阻止しますが、柿は渋み(タンニン)でそれを防げるので、酸が不要だったともいわれます。干し柿は、しばしば和菓子の甘さの基準とされてきました。

おもちゃみたいなツヤツヤで固い皮は、他の果物と比べて密度が高く気孔がほとんどないため。なんと呼吸は、ヘタでしているのだそうです。

柿は、レモンより多くのビタミンCを含み、一個食べると1日の必要量を摂れてしまいます。夏に紫外線を浴びた肌を復活させ、これからの季節は風邪予防の強い味方に!

柿のオレンジ色には、抗酸化作用のあるβカロテンや、発がん抑制作用があるといわれる物質が含まれます。渋み成分のタンニンにはアルコールを分解する作用があり、さらに利尿作用のあるカリウム、酸化還元作用のあるビタミンCと、3つの相乗効果で二日酔いに効果的です。

美容健康茶として知られる「柿の葉茶」。豊富なタンニンは老化の原因となる活性酸素を除去し、コレステロール値を下げ、動脈硬化や高血圧を防止します。また、体の悪臭成分と結びついて体臭・口臭を防ぐ効果もあります。

ただし、鉄分の吸収を妨げる作用もあるので、貧血気味の人は飲みすぎないようにしましょう。

「柿の種」問題。 種なしなのに なぜ増える? おせんべい なぜこの形?

<問題>

現在、お店に並ぶ柿は多くに「種なし」と書かれていますね。切り分けやすく食べやすいので大人気です。でも、種がないのにどうやって増えるのでしょうか?

<こたえ>

「簡単にいえば、種のある柿を育てて(台木)、種のない柿の枝(つぎ穂)を接ぎます。これで、種なし柿もどんどんふやすことができます」(北陸農政局HPより)。

じつは、種なし柿のほぼ全ては渋柿。収穫したそのままでは渋くて食べられないので、「渋抜き」をしてから出荷されます。現在は、炭酸ガスによる設備が多いそうですが、アルコールやお湯で抜く方法もあるそうです。柿を買ってきたら、風通しのよいところに2〜3日置いておくと、残っている渋も抜けて皮が柔らかくなり、とろっと美味しくなりますよ。

<問題>

そしてもうひとつ気になるのが・・・ビールのおつまみに欠かせない、ピーナッツと細長いピリ辛おせんべいが混ざった『柿の種』問題。記憶にある柿の種は、もっとコロンと丸い形だったはず。どうしてこれを柿の種だというのでしょうか。丸くしたかったのに、途中で潰れてしまったのでしょうか?

<こたえ>

昔ポピュラーだった「筆柿」の種が、まさにこういう形でした! 愛知県原産の柿で、果形が筆の先の部分に似ていることからこの名前で呼ばれます。

『柿の種』を製造販売するメーカーのHP(リンク先参照)によると、はじめから「柿の種形にしよう」と狙ったわけではなく、小判型に焼くための金型をうっかり踏みつぶしてしまい、それで焼いたらこうなったらしいです。そのおせんべいを見た人から「これじゃ柿の種だな」と言われたのでそういう名前にした、という事情が・・・ 大正時代の当時、イメージされたのが「筆柿」の種だったのですね(それにしても、ほんとうに途中で潰れていたとは)。

ヘタがきれいで果実との間に隙間がなく張り付いているもの、果皮がしっとりしてハリがあり全体的に色づいているもの、持ったときに重みがあるものを選びましょう。ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存すれば1週間ほど持ちますが、常温だと2日ほどでやわらかくなります。

天ぷらや白和え、なます、サラダ。おかず系には、サクッとした食感のものが使いやすいのでは。やわらかめのものは、自然の甘みとしてパウンドケーキなどの焼き菓子に混ぜたり、プレーンヨーグルトに加えたりするのもお勧めです。和菓子やゼリー、ジャムやジュースにも。やわらかくなりすぎた柿は、冷凍するとシャーベットとして楽しめます。

デザートに柿を食べると、タンニンの消臭作用がニンニクなどの口臭を消してくれます。また、お酒を飲んだあとに柿ジュースを飲むと、胃粘膜の蛋白質とタンニンが反応して アルコールが吸収されにくくなるそうです。

食卓に映えるオレンジ色で、気持ちも明るくあたたかに。甘くとろける美味しい柿を食べて、風邪の季節もパワー全開で過ごしたいですね。