犬蓼の花の俳句

https://asimil.biz/3791  【犬蓼の花の俳句…犬蓼の花くふ馬や茶の煙(正岡子規)他】 より

犬蓼――読み方は「イヌタデ」。別名は「赤まんま」(アカマンマ)「赤のまま」(アカノママ)。粒々の赤い花を赤飯になぞらえて付けられた名前です。秋に紅色の穂を付けます。俳句ではイヌタデは秋の季語になります。

犬蓼の花の俳句で有名なのは、●犬蓼の花くふ馬や茶の煙(いぬたでの はなくううまや ちゃのけむり)正岡子規(まさおかしき)●長雨のふるだけ降るやあかのまま(ながあめの ふるだけふるや あかのまま)中村汀女(なかむらていじょ)

●食べてゐる牛の口より蓼の花(たべている うしのくちより たでのはな)高野素十(たかのすじゅう)●手にしたる赤のまんまを手向草(てにしたる あかのまんまを たむけぐさ)富安風生(とみやすふうせい)――などがあります。


https://ameblo.jp/masanori819/entry-12315137942.html 【一日一季語 赤のまんま(あかのまんま)【秋―植物―初秋】】 より

さゞ波のここまでよする赤のまゝ 池上不二子

1909 〜

俳人 古書修理 池上幸二郎夫人

東京神田生まれ。→高浜虚子に師事。「ホトトギス」同人。→池上浩山人主宰「ももすもも(桃李)」にて作句。

【傍題季語】

赤のまま(あかのまま) 赤まんま(あかまんま) 犬蓼の花(いぬたでのはな)

花蓼(はなたで)

【季語の説明】

タデ科の一年草犬蓼の花だが、粒状の紅色の花を赤飯になぞらえてこの名がある。夏から秋にかけて、赤い小花を枝先に群がりつける。花びらはなく萼が五つに深裂する。高さは二〇~五〇センチほど。

タデ科の一年草。山野や路傍に自生する。初秋、小粒の穂状の紫紅色の花を咲かせる。この粒状の花をしごき取り、赤飯にみたてて、ままごとに使って遊んだことから、「赤の飯(まんま)」とよばれる。

【例句】

溝そばと赤のまんまと咲きうづみ 高浜虚子

勝ち誇る子をみな逃げぬ赤のまま 中村草田男

赤のままそと林間の日を集め   川端 茅舎

長雨の降るだけ降るや赤のまま 中村汀女

霧霧れて赤のまんまに野は真昼 三橋鷹女

われ黙り人話しかく赤のまま 星野立子

【科学的見地】

赤のまんまに活用される植物は、タデ科の複数種が含まれているが、人里付近に自生している最も一般的な種は、犬蓼(イヌタデ)である。イヌタデは、在来の一年草であり、全国において普通に見られる植物である。和名は、タデ酢に活用するものとは異なり、葉に辛味がなく役に立たないということから、イヌタデとなった。犬(イヌ)は、否(イナ)から生した言葉である。(藤吉正明記)

【花の特徴】

茎先に長さ1センチから5センチの穂状花序(柄のない花が花茎に均等につく)を出し、紅色の小花をたくさんつける。

花弁はなく、花弁のように見えるのは萼である。

萼は5つに深く裂けて花びらのように見える。

雄しべは8本、花柱(雌しべ)は3本である。

【雑学】

イヌタデの名には「食べられない蓼」という意味合いがある。

料理に使うのはヤナギタデで、別名をホンタデ、マタデなどという。

別名をアカマンマという。

俳句では、「犬蓼の花」「赤のまま」「赤まんま」などが秋の季語である。

属名の Persicaria は「persica(モモ)」に由来する。葉がモモの葉に似ているという意味である。

種小名の longiseta は「長い刺毛の」という意味である。

・開花時期は、 7/15 ~ 10/25頃。

・辛味がなく食べられない蓼、の意味。      

 「犬」がつくものには食用にならない、の意味をもつものが多い。

   犬胡麻(いぬごま)

   犬芥子(いぬがらし)

   犬薺(いぬなずな)

   犬稗(いぬひえ)

   犬蕨(いぬわらび)、など。

・ことわざ「蓼食う虫も好きずき」

【お赤飯】

明治頃までは、もち米を蒸しただけのものをおこわと言い、小豆などを混ぜたものと区別していたが、後に赤飯もおこわと言うようになった。蒸すのではなく、炊いて作る方法もある。呼称としては「せきはん」が一般的であるが、女房言葉として語頭に「お」をつけた「おせきはん」、あるいは地域によって「あかまんま」「あかごわ」などの呼び方もある。


https://yuuyakeni.blogspot.com/2011/10/  【赤まんま(犬たで)】

我が田のごとく見回っているこの田園に、今年の春ちょっとした変化があった。

一番早くから耕し草取りは欠かさず、稲刈りもまっ先にやっていたお爺さんがいました。

ある春の日、半分耕した田を残してばったり姿を見せなくなった。

その田だけが水を張られることもなく草の花だけがたくさん咲いた。

農薬が少なかったのか絶滅危惧種の「イヌゴマ」や「サクラタデ」等咲ききれいなお花畑になっている。お爺さんを待っているかのようです。

写真はイヌタデです。赤まんまとも呼ばれています。

 休耕田の暮色明るく赤まんま       茜

 〈きゅうこうだのぼしょくあかるくあかまんま)

 

 草の穂や歳をとられてしまいけり     茜

 (くさのほやとしをとられてしまいけり)

     

秋の季語;犬蓼(いぬたで)、赤まんま、草の穂絮 


http://www5c.biglobe.ne.jp/~n32e131/aki/inutade.html 【犬蓼の花 赤のまま】 より

犬蓼の花くふ馬や茶の煙 子規      犬蓼の花に水落ち石出たり 鬼城

犬蓼の花にてらつく石二つ 鬼城

漕ぎ入れば湖尻細江岸たかみ舟より見上ぐる犬蓼の花 利玄

赤飯の花と子等いふ犬蓼の花はこちたし家のめぐりに 牧水

手にしたる赤のまんまを手向草 風生    長雨の降るだけ降るや赤のまま 汀女

赤のままそと林間の日を集め 茅舎     山水のどこも泌み出る赤のまま 汀女

人恋へば野は霧雨の赤まんま 鷹女     霧霽れて赤のまんまに野は真昼 鷹女

われ黙り人話しかくあかのまゝ 立子    モンペ穿く赤のマンマに笑ひながら かな女

秋痩せぬ赤のまんまの野にとほく 鷹女   赤のまま土の気もなき蛇籠より 青畝

赤のまま摘めるうまごに随へり 亞浪    赤まんま墓累々と焼けのこり 鷹女

ごみすてて汚なからずよ赤のまま 虚子   道ばたの捨て蚕に赤のまんまかな 石鼎

犬蓼もはなだちそろふ芋畑 蛇笏      勝ち誇る子をみな逃げぬ赤のまま 草田男

赤のまま赤人も居し故郷かな 青畝     赤のまま天平雲は天のもの 青畝

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